『ジョーカー: フォリ・ア・ドゥ』が失敗したと言われる3つのポイントとは?
『ジョーカー: フォリ・ア・ドゥ』は、記録的な成功を収めた前作の期待を大きく裏切った作品としてアメリカでは映画史に名を残すことになりました。ワーナー・ブラザースは監督トッド・フィリップスに大きな予算を提供し、前作と同じ日に公開するという戦略まで打ち出しましたが、結果的には「三重の失敗」と呼ばれる結果に終わりました。本記事では、その「3つの失敗」と呼ばれる理由について、徹底解説します
1. 興行収入の低迷
まず最初に触れておきたいのが、興行収入の低迷。公開初週末においてボックスオフィスで第1位を獲得しましたが、収益が4,000万ドルにとどまったのは、正直言ってかなり予想外だったかもしれません。前作の『ジョーカー』は9,600万ドルを記録していただけに、その差は約5,600万ドル。これって相当大きい差なんですよね。前作が「アート映画のような雰囲気」をまとっていたことで、批評家や観客から賛否が分かれたものの最終的には多くの人々を劇場に引き付け、普段コミック映画に興味がない層まで劇場に足を運ばせたという強みがあったんですが、今回その勢いが続かなかったのは残念な結果につながりました。
Box Office Mojoのデータによれば、近年の大作映画は初週末で1億ドル以上を稼ぐのが普通になっているので、それと比べても『フォリ・ア・ドゥ』は明らかに苦戦していたようです。
2. 批評家からの低評価
批評家の反応も、手厳しいものが多かったですね。Rotten Tomatoesのスコアが33%って、これだけ見ると「本当にあの『ジョーカー』の続編?」と疑いたくなるほどの低評価。前作が68%だったのと比較すると、やっぱりその落差が大きいです。フィリップス監督が、前作でうまくいった要素を再度持ち込んだのは分かるんですが、それが「新鮮さに欠ける」として響かなかったというのが、批評家の主な意見みたいですね。
また、レディー・ガガの起用やミュージカル要素の追加に関しても、批評家の多くが「蛇足」や「不必要な要素」「無理に足した感」があると言われてしまいました。個性的な試みで成功することもありますが、今回は逆に「やりすぎ」と受け取られたようで、Metacriticでもスコアが40点と、なかなか厳しい数字が並んでいます。
3. 観客の反応とCinemaScore
観客の反応も芳しくなかったのが、この映画の致命的なところ。Rotten Tomatoesの観客スコアが31%と、前作の89%と比べても、その落差が顕著でした。観客のコメントには、映画のストーリー展開やキャラクターの描写に共感できず、前作のような「強烈でリアルな社会批判」というテーマが感じられなかった「ストーリー展開が無理矢理」「キャラクターに共感できなかった」といったものが多く、社会批判のような強いメッセージ性が薄かったことが、ファン離れにつながったのかもしれません。
さらに、CinemaScoreではD評価を受け、これはコミック映画史上最低の評価となりました。2019年の『ジョーカー』はB+という比較的好意的な評価を受けていたのに対し、『フォリ・ア・ドゥ』は『ファンタスティック・フォー』(2015年)や『マダム・ウェブ』といった過去の酷評を受けたコミック映画をも下回る結果となりました。この評価は、観客が映画に対して強い失望を感じたことを物語っており、前作との大きなギャップが浮き彫りになっています。
まとめ
こうして見ると、『ジョーカー: フォリ・ア・ドゥ』が「失敗作」と呼ばれるのも納得です。大きな期待を背負っていた分、どの面でも前作と比較され、その結果があまりに厳しかったのかもしれません。でも、これは逆に「続編は成功するのがいかに難しいか」を証明しているとも言えますね。続編というものは、特にファンが多い作品ほど、期待と現実のギャップが生まれやすいもの。次回作がもしあるなら、ファンの期待と新しい視点のバランスをうまく取る必要があるでしょう。
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