大人になって気づく学びの本質とは
最近、自分で新しいことを学び始めて、気づいたことがありました。子供の頃は「学ぶこと」といえば学校での勉強や宿題が中心で、正直楽しいと思うことはあまりありませんでした。しかし、大人になって自ら学びに取り組むと、そこには全く違った学びの本質が隠されていることに気づいたのです。
「学ぶこと」の目的は知識を得るだけではなく、それを使って考える力を鍛えたり、異なる事柄の間に共通点を見つけたりすることにあるのだと改めて感じました。ここから、学びの本質について掘り下げて考えてみます。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
深い学びを得るにはいったい何が必要なのか 子どものころに学習困難を抱えていた著者が、多くの実証研究調査と、学びの専門家への取材を通して辿り着いた、小手先のテクニックではない本質的な「学び方」。
勉強と学ぶことの違い
子供の頃、多くの人にとって勉強は「覚える」ことが中心でした。歴史の年号、英単語、数学の公式──どれも暗記してテストで良い点を取るための手段だったのです。しかし、その当時は「なぜこれを学ぶのか」を深く考えることはほとんどありませんでした。
学校の授業では、学ぶ目的を具体的に説明される機会が少なく、子供たち自身もただ与えられた課題をこなすことに集中していました。その結果、学びの意義や楽しさを実感できないまま、多くの人が「勉強はつまらない」と感じてしまうのです。
大人になって気づいた繰り返しの力
最近、新しいスキルを学ぶ過程で気づいたのは、繰り返しの力です。一度学んだだけでは知識が定着せず、何度も反復することで初めて「使える」知識に変わるのだと実感しました。心理学で知られる「エビングハウスの忘却曲線」は、記憶が時間とともに失われることを示していますが、適切なタイミングで復習を行えば記憶がしっかり定着することも示唆しています。
たとえば、語学学習では、新しい単語や文法を何度も聞いて、使って、間違えることで、自然とその内容が頭に入ります。この「繰り返しのプロセス」は、知識を深めるだけでなく、考える習慣を作る基盤にもなります。
異なる事柄の間に共通点を見出す楽しさ
学びの本質の一つとして、異なる事柄の間に共通点を見つける力があります。たとえば、私が最近興味を持ったのは、料理と建築の共通点です。一見無関係に思える二つの分野ですが、どちらも計画を立て、材料やリソースを効率よく使い、結果を出すというプロセスが似ています。
こうした発見は、学びを単なる知識の積み上げから「発想の転換」へと進化させるものです。教育心理学者のロバート・スターンバーグは、こうした力を「創造的思考」の一環としています。学びを深めることで、異なる分野を結びつけて新しい視点を得ることができるのです。
学びのプロセスで育つ考える力
子供の頃には気づかなかったのですが、勉強は単に知識を増やすだけではなく、「考える力」を育てるための訓練です。たとえば、数学の問題を解くとき、答えそのものを覚えるのではなく、どのようにその答えにたどり着いたかを考えることが重要です。この「プロセス」を学ぶことで、未知の問題に出会ったときにも応用力を発揮できます。
大人になってからも、新しい課題に挑むたびに、「どのように解決すれば良いか」を考える習慣が身についていることに気づきます。これこそ、学校教育が私たちに与えてくれた最大の恩恵の一つです。
自ら学ぶことで得られる満足感
大人になると、学びが「自分のため」に変わる瞬間があります。たとえば、仕事で必要なスキルを習得する場合、それは明確な目標に基づいています。目標がある学びは、進捗が見えやすく、達成感を得やすいものです。
また、大人の学びには自由があります。興味のある分野を深掘りし、自分のペースで進めることで、学びが義務ではなく喜びに変わります。このような学びは、子供時代には体験できなかった満足感をもたらしてくれます。
まとめ:学び続ける人生の豊かさ
最近、自ら学ぶことで気づいたのは、学びの本質は「成長し続けること」にあるということです。子供時代には「なぜ勉強するのか」がわからず、ただ与えられた課題をこなしていましたが、大人になった今、学びは自分を変える手段であり、可能性を広げる方法でもあります。
学びは決して終わらない旅であり、その旅を楽しむことで人生そのものが豊かになります。繰り返し考える力、異なる事柄に共通点を見出す力──これらのスキルは私たちの人生をより深く、意味のあるものにしてくれるのです。
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