お金はただの道具?それとも人生を形作るもの?
「お金の使い方でその人の人生観が見える」という言葉をどこかで聞いたことがある。まさにその通りだと思う。誰しも1万円札を手にしたとき、その1枚にどれだけの可能性を見出せるかで、人生の豊かさが大きく変わる。使い方次第で「生きたお金」になることもあれば、「死んだお金」になることもある。
たとえば、スーパーでなんとなく目についたものをカゴに入れる。会計のとき「あれ、思ったより高いな」と感じるけど、何を買ったか覚えていない。そんな経験、きっと誰でもあるはずだ。これが「死んだお金」の一例だ。反対に、同じ1万円を使って友人や家族と特別な時間を過ごすための食事に使ったら、それは「生きたお金」だ。お金自体はただの紙切れだけど、その使い方で価値は無限に広がる。
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「生きたお金」とは何か?
「生きたお金」の定義は、人それぞれ少しずつ違うだろう。ただ、共通して言えるのは、「満足感や価値を得られる使い方」ということだ。経済学者のトーマス・スタンリーは著書『The Millionaire Next Door』で、裕福な人々が意外と倹約家であり、無駄遣いをしないことを指摘している。裕福になるためには、単にお金を稼ぐだけでなく、いかに意味のある形で使うかが重要だと。
「生きたお金」の代表例は、自己投資だ。本を買うこと、スキルを磨くための講座を受けること、心を豊かにする旅行に出ること。これらは一見高いように感じるかもしれないが、結果として未来の自分に利益をもたらす。
「死んだお金」はなぜ生まれるのか?
では、「死んだお金」とはどんな使い方だろう?たとえば、流行に流されて買った高価なブランド品。手に入れた瞬間は満足するけど、その後タンスの奥で眠っている……。これではお金が活きているとは言い難い。
「死んだお金」は、無意識の行動や、他人に見せるための消費から生まれることが多い。SNSで見た友達の生活を真似して、自分も同じものを買いたくなる。そういう消費は、一時的な安心感を得られるかもしれないけど、本当に自分の人生を豊かにするものではない。
小さな工夫で変わる「生きたお金」の使い方
「生きたお金」を実現するためには、意識的な選択が必要だ。ここで、いくつかの具体的な工夫を挙げてみたい。
- 優先順位をつける
自分が本当に価値を感じるものにお金を使う。たとえば、コーヒー好きなら高品質な豆を買う。映画が好きなら、話題作を観るために少し贅沢なシアターを選ぶ。自分が満足感を得られるものを見極めるのが大事だ。 - 未来への投資を意識する
本やセミナー、資格取得にお金を使うのは、一見地味かもしれない。でも、これらは将来的に自分を成長させ、さらに多くのお金を生む可能性を秘めている。 - 思い出に残る体験を重視する
物よりも体験にお金を使うのは、心理学的にも幸福度を高めるとされている。ハーバード大学の研究によれば、旅行や趣味にお金を費やすことで得られる満足感は長続きするという。
「生きたお金」体験談
私が初めて「生きたお金」を意識したのは、20代の頃だった。当時の僕は、目先の楽しさを追いかけては浪費を繰り返していた。あるとき、思い切って貯金を崩して一人旅に出た。旅先で出会った人との会話や、美しい風景に触れたとき、「これが生きたお金なんだ」と直感的に感じた。
その後、無駄遣いを減らし、自分にとって価値のあるものを優先するようになった。今でも振り返ると、あの旅がなければ、私の人生観は大きく変わらなかったと思う。
お金の使い方が人生を決める
結局、お金は使い方次第だ。同じ1万円でも、誰かに喜びを与える使い方をする人もいれば、無意味に消費する人もいる。大事なのは、金額の大小ではなく、それが自分にとって、そして他人にとって、どれだけの価値をもたらすかだ。
だからこそ、「お金の使い方を見直してみよう」という小さな一歩が、豊かな人生への第一歩になるかもしれない。あなたが持つ1万円も、きっと「生きたお金」に変えることができるはずだ。
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