人混みが苦手なあなたへ:視線を気にしすぎる自分をラクにする方法

視線を気にしすぎる自分をラクにする方法

大人数がいる場所が苦手な理由

大人数が集まる場所にいると、なぜか心がざわついて疲れてしまう――そんなこと、ありませんか?
例えば、駅のホームやショッピングモール。人々が別々の目的を持ちながら、次々と動き回る空間で、自分の居場所がわからなくなる瞬間。私自身、昔からこうした場所が苦手でした。

その理由を一言で説明するなら、他人の視線を過敏に感じ取ってしまうからだと思います。誰も私を気にしていないとわかっていても、「この服、変じゃないかな?」「今の仕草、見られたかな?」と勝手に頭の中で誰かの評価を想像してしまうんです。

心理学の世界ではこれを「スポットライト効果」と呼ぶそうです。実際には誰もあなたをそんなに見ていないのに、あたかも自分が舞台の中心に立たされているように感じてしまう現象です。


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 31F51JvJIjL._SY445_SX342_.jpg

敏感すぎる人の いつものしんどい疲れが すーっとラクになる本

いくら休んでも寝ても回復しない、しんどい「疲れ」に困っていませんか?
敏感なHSP気質の人の慢性の疲れや痛みは、「疲労感」が原因であることがわかってきました。
それは脳の勘違いによる慢性炎症。
日常のストレスのしくみ、自律神経のバランス、炎症を遠ざける習慣を知って、
「いつも疲れてしんどい」をラクに変えていく本。


人の視線を感じすぎる日々

特に印象的な出来事があります。以前、友人と約束して渋谷で待ち合わせをした日。改札を出た瞬間、目の前に広がった雑踏に、軽くめまいを覚えました。人々がそれぞれの目的に向かって歩き、視線も足取りもバラバラ。その中にポツンと立つ自分が、とてつもなく場違いに思えたのです。

「どうして自分はこんなにも視線を感じ取ってしまうんだろう?」と思いながら、カフェに逃げ込んだ私は、注文の列に並びながらもまた周りの視線を気にしていました。「ちゃんと並べてるかな?」「コーヒーの名前、噛まないように言わなきゃ」と、どうでもいいことが頭を占領します。

こうして「周りを気にする自分」に疲れ、自己嫌悪を抱えて帰路についたことは一度や二度ではありません。

本当に誰かが見ているのか?

ある日、そんな自分を変えたいと思い、本を読んだり、人と話をして気づいたことがあります。それは、「他人が思っているほど、自分のことを気にしていない」という事実。

社会学者のチャールズ・ホートン・クーリーが提唱した「鏡映的自己」という考え方があります。これは、「私たちは、他人が自分をどう見ているかを通じて、自分自身を理解する」というもの。しかし、それが実際の評価ではなく、あくまで『自分が想像する他人の評価』である場合が多いのです。

言い換えると、自分の服装や言動がどう思われるかと悩む時間の多くは、ただの思い込みに過ぎないのです。

視線を気にする自分をラクにする考え方

そんな僕が少し楽になったのは、次の3つの考え方を取り入れたからです。

  1. 「誰も自分に興味はない」と考える 私が渋谷で感じた「視線のプレッシャー」も、結局は自分の思い込みでした。歩いている人々は、次の電車に間に合うか、今日の夕飯をどうするかなど、みんな自分のことに忙しい。あなたの服や行動なんて気にしている暇はないんです。
  2. 「他人に見られる自分」と「自分自身」を切り離す 以前の私は、他人の視線を気にするあまり、自分自身の気持ちを後回しにしていました。しかし、「今日はこれをやると決めた」と自分の目的に集中するだけで、視線のストレスが驚くほど減りました。
  3. 「失敗をネタにする」くらいの心の余裕を持つ 失敗したら恥ずかしいと思っていた自分を変えるため、「笑いに変えればいい」と思うようにしました。先日、駅の改札でICカードを落として後ろの人に拾ってもらったときも、「もう一人でコントしてる気分です」と自虐的に笑ったら、なんだか気が楽になったんです。

人混みが教えてくれること

人混みが苦手だと感じることは、決して弱点ではありません。むしろそれは、自分の感受性が高い証拠です。たくさんの情報を拾い、周りの空気を読む力があるからこそ、視線を気にしてしまうのです。

でも、その感受性を悪い方向に使う必要はありません。他人にばかり目を向けるのではなく、その能力を自分を理解するために使ってみてください。「自分は何が得意だろう」「どうすれば自分が楽しく過ごせるだろう」といった問いに集中するだけで、世界が少しラクになる気がします。

おわりに

大人数がいる場所で疲れてしまうのは、決してあなたが弱いからではありません。ただ、ちょっとだけ自分に厳しすぎるのかもしれません。

他人の視線を気にしすぎるよりも、自分自身の気持ちや目的を大切にすること。その感受性をポジティブな方向に使うこと。それだけで、あなたの世界はきっと軽く、広がっていくはずです。

最後に、渋谷の雑踏を歩きながら思ったことを伝えたい。「自分が思うほど、誰もあなたを見ていない。そして、それでいいのだ。」


こちらもおすすめ

ブログ村