先延ばしグセを直す“スタック習慣法”
先延ばしの呪いと決別する方法
私は昔から「あとでやろう」と思ったことは、大抵“あと”が永遠に来なかった。メールの返信、片付け、資料の整理……全部“明日やろう”の積み重ね。気づけば積み上がったのは、やるべきことではなく罪悪感だった。
心理学でも「先延ばし」は“やるべきこと”が大きく見えすぎて手をつけられない心の防衛反応だと説明される。それを変えるために私が試したのが “スタック習慣法(Habit Stacking)” だ。これは行動科学の専門家ジェームズ・クリアが提唱する方法で、「すでにやっている習慣に新しい行動をくっつける」というシンプルな仕組みだ。
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1. スタック習慣法って何?
スタック習慣法とは、 既存の習慣に新しい習慣をセットで行う 方法だ。人間はすでに定着している行動を基点にすると、自然と次の行動を取りやすくなる。
たとえば、「朝コーヒーを淹れる」行動はすでに習慣化しているなら、コーヒーが出来上がるまでの間に 「その日使うバッグの中身を整理する」 をくっつけてみる。
事例1: 「歯を磨いた後にスクワットをする」
事例2: 「夕食の片付けをした後に床掃除をする」
これらの行動は “セット” になり、次第に意識せず行えるようになる。心理学ではこれを “習慣の連鎖” と呼ぶ。つまり、新しい行動をゼロから始めるより、既存の習慣に寄り添う方が簡単なのだ。
2. 成功するための秘訣:失敗を防ぐ3つのコツ
① 欲張らない
新しい習慣を始めるとき、気合いが入りすぎて「これもやろう! あれもやろう!」と欲張りがちだ。でも、最初は 1つの小さな行動 に絞るのが成功のカギだ。
例: 「朝の散歩」だけ始める。「その後、運動も勉強も」と考えると失敗しやすい。
② 明確なタイミングを決める
「そのうちやろう」は永遠に来ない。だから、新しい行動を始めるなら 明確なタイミング を決めることが大切だ。既存の行動を「トリガー」に設定することで、行動が自動化する。
例: 「食後に5分だけ英語の勉強をする」
なぜ? 食事は毎日するから、その後に行動を固定すれば習慣化しやすい。
③ 成功体験を積む
「できた!」という感覚はモチベーションを支える強力なエネルギーになる。小さな成功体験の積み重ねが、次の行動への自信につながる。
例: 床掃除の後に机を整理する→スッキリして気分が良い→次の日もやりたくなる。
3. 私の実例:床掃除で得た習慣の奇跡
私がスタック習慣法を初めて実践したのは 「床掃除しながらラジオを聴く」 だった。
掃除自体は面倒だったが、好きなラジオを聴けると思うと案外楽しくなった。おかげで掃除が習慣化し、部屋はいつもきれい。さらに掃除が終わってもラジオを聴きたいので他の家事やそのまま散歩 も定着した。
この「ついでにやる」感覚がキモで、「やらなきゃ!」と思う負担が消える。掃除機をかけるついでに心も整っている気がするのだから不思議だ。
4. 変わりたいなら“くっつける”だけでいい
大きな変化を目指さなくてもいい。 「すでにやっていること」に何かをくっつけるだけ で、少しずつ新しい自分になれる。
スタック習慣法の本質は「自分を変える」ではなく、 「環境を整える」こと。変わらない自分を責めるより、行動を引き出す環境を作った方がはるかに効果的だ。
おわりに:やらなきゃじゃなく、やっちゃおう
私は今でも先延ばしの気がある。でも、 「すでにある行動」にくっつけるだけ なら、重い腰も軽くなる。大げさな目標は立てず、小さな行動から始める。それが、未来の自分を変える第一歩だ。
さあ、 「次に何かするついでに、これもやってみよう!」 と思ったら、もう成功の第一歩だ。
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