叱らない上司は本当に優しい?
仕事において、上司がミスを叱らず、意見に反対しないと、つい「優しい人だな」と感じることがあります。誰だって指摘されたり批判されたりするのは嬉しいことではありません。しかし、果たしてそれは本当の優しさでしょうか?もしかすると、その態度は「無関心」なのかもしれません。本当に部下を思いやる上司は、時には厳しい言葉を投げかけることもあります。一見すると冷たく感じるかもしれませんが、そこには真の優しさが隠れているのです。本記事では、「優しさ」と「無関心」の違いについて探っていきます。
優しさとは何か?
優しさとは、相手を思いやる行動や態度を示すことです。特に仕事の場面では、上司が部下に対して気遣いやサポートをしてくれると「優しい上司だ」と感じることがあります。例えば、部下がミスをしたときに叱らずに「大丈夫、次は気をつけよう」と声をかけてくれる上司。あるいは、部下の意見に反対せず「その通りだね」と受け入れる上司。このような対応は一見、優しさのように感じられるでしょう。
しかし、表面的な優しさだけでは部下の成長を促すことはできません。本当の優しさとは、時には部下に厳しい現実を見せることであり、その人がより良い仕事をするために必要なフィードバックを与えることです。
無関心の危険性
一方で、何も言わない、批判しないという態度は、実は「無関心」を意味している場合もあります。部下がミスをしても、注意をせず、そのまま放置している上司は、実際には部下に対して関心を持っていない可能性があります。意見に反対しない上司も同様で、ただ部下の意見を受け流しているだけかもしれません。これは、部下の成長やキャリアを真剣に考えていない証拠とも言えるでしょう。
無関心な上司のもとでは、部下は自分のスキルや成長に自信を持つことができず、最終的には職場全体のモチベーションが低下する危険があります。上司が何も言わないことを「優しさ」と勘違いすると、結果的に自分自身の成長を妨げてしまうかもしれません。
厳しい指摘に潜む本当の優しさ
本当に部下を思いやる上司は、時には厳しい指摘をすることを恐れません。ミスを指摘し、改善を求めることは、部下の能力を信じ、成長を期待している証拠です。例えば、上司が「このやり方では失敗するから、別の方法を試してみよう」と言う場合、一時的に部下は不快感を覚えるかもしれません。しかし、それは部下が将来的に失敗を避け、成功へと導くためのアドバイスです。
また、意見に反対することも、ただ反対のために行うのではなく、より良い結果を出すための議論を促すためです。部下の提案に対して「この部分は良いが、ここは改善の余地がある」とフィードバックをすることで、部下は自分の視点を広げ、より良いアイデアを生み出すことができます。
本当の優しさを見極める方法
では、どのようにして「優しさ」と「無関心」を見極めれば良いのでしょうか?まず、上司があなたの成長に対してフィードバックをくれているかどうかを確認することが大切です。フィードバックがある場合、それは上司があなたに対して真剣に向き合っている証拠です。
さらに、上司がただミスを指摘するだけでなく、その後の改善方法を一緒に考えてくれるかどうかも重要です。単なる批判で終わるのではなく、具体的な改善策やアドバイスをもらえる場合、それは本当の優しさが隠れているサインです。
結論
「優しさ」と「無関心」の違いを見極めることは難しいかもしれませんが、真に思いやりのある上司は、部下の成長を見据えて厳しい指摘をすることを恐れません。無関心な上司が何も言わないことで一時的には楽かもしれませんが、長期的には成長のチャンスを逃してしまいます。本当の優しさとは、時に厳しい言葉をかけ、相手をより高いレベルへと導く力を持っているのです。
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著者: 江口 克彦
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