金曜深夜の癒やし(?)ミステリー『探偵さん、リュック開いてますよ』の第3話。今回のサブタイトルは「Mystery Cocoon of Quiz King」。第1話の松茸、第2話の地底人に続き、またしても「なんだそりゃ」と思わず言いたくなるタイトルです。
しかし冒頭は珍しく物騒な展開からスタートしました。小林さんが蜘蛛の糸のようなものに包まれて亡くなっており、近くには謎の暗号。サスペンスフルな空気で始まりましたが、蓋を開けてみれば、FBI襲来、幽霊、アイドル、そして食……という、このドラマらしい「自由すぎる」展開が待っていました。
「あいつは二代目だ」父・松田優作へのオマージュ
ドラマファンとして、まずこのシーンについて語らせてください。事件現場で警部が放った「父親も探偵をやっていて、あいつは二代目だ」というセリフ。
これは間違いなく、松田龍平さんの父・松田優作さんの伝説的ドラマ『探偵物語』からの流れを汲んだ演出です。フィクションの世界設定の中に、現実の親子関係というバックボーンがふわりと重なる瞬間。聞いていて鳥肌が立つほど「超エモい」シーンでした。第1話の「父が探偵やってて」に続くこの決定的なセリフは、往年のファンにとっては涙もののプレゼントだったのではないでしょうか。
吐きそうになる探偵と、東大卒クイズ王の悲劇
シリアスな展開かと思いきや、すぐに「ゆるさ」が顔を出します。謎の暗号を見せられた探偵・一ノ瀬洋輔(松田龍平)。三日三晩考えたというので名推理が出るかと思えば、「それ見てると吐きそうになるんですっ!」と拒絶反応。この脱力感こそが本作の真骨頂です。
そこで白羽の矢が立ったのが、この街に住む東大卒の「クイズ王」。家賃を滞納し大家と揉めている彼は、頭脳明晰なはずですが……家を訪ねると彼もまた繭に包まれて亡くなっていました。これで被害者は7人目。事態は深刻さを増していきます。
自由すぎる「THE アメリカン」なFBI襲来
時を同じくして、アメリカからFBIがやって来ます。見た目も言動もコテコテの「THE アメリカ人」。英語と日本語のやり取りが全く噛み合っていないのがシュールで笑えます。蕎麦をフォークで食べたり、捜査よりも温泉を優先したりととにかく自由。
さらに、なぜか旅館で一ノ瀬が彼らをもてなす展開に。「芸者に会いたい」というリクエストに対し、婦人会のおばちゃんたちが踊りをする絵面は、カオス以外の何物でもありませんでした。
発明品「お化けダイヤル」と役に立たない幽霊
お風呂場で幽霊になったクイズ王と遭遇した一ノ瀬。しかし、こちらの声は届かず、あちらの声も聞こえません。そこで登場した今回のトンデモ発明品が「お化けダイヤル」です。「生きている人はお化けに、お化けは生きて」会話ができるというこの機械。
早速、事件の日のことや謎の暗号について尋ねますが、クイズ王の答えはまさかの「何もわからない(笑)」。東大卒の頭脳はクイズ脳で意味がないのか、それとも単に彼が知らなかったのか。この「結局わからないんかい!」というズッコケ展開もまた、このドラマの愛すべきポイントです。
解決策は「アイドルの歌」と「実食」!?
FBIの女性捜査官までもが繭に包まれる中、ついに真実が明かされます。この繭の原因は事件ではなく、隕石に付着していた地球外の物質だったのです。このままでは世界中が繭に飲み込まれてしまう。
そこでFBIが提示した解決策は、なんと「歌を聞かせること」。なぜ(笑)。 警部の娘がアイドルをやっているということで、その歌を聞かせると繭が沈静化するという、カオスな解決を見せました。
さらに驚きなのは、この繭が「食べられる」と判明したこと。恐怖の対象だった繭は、一転して街の名産品として売り出されることになりました。たくましすぎる温泉街の人々。 そして結局、現場に残されていた「謎の暗号」がいったい何だったのかは、誰にもわからないまま幕を閉じました。
「なんでもあり」でとにかく自由。けれど、その予測不能な展開がクセになる。第3話も大いに笑わせていただきました。
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