『良いこと悪いこと』人物考察ー「どの子」と「ドの子」――二人の“どのこ”

第4話で明らかになった衝撃の違和感。
それは、「どの子」と「ドの子」という、同じ響きの言葉が字幕で明確に使い分けられていたことだ。

普通に見ているだけでは気づかないが、
字幕をつけて観ると確かに別の人物として扱われている。
この“もう一人のドの子”とは誰なのか?
そして今回の事件とどう関わっているのか――。

■ 「どの子」と「ドの子」の違い

まず整理すると、

  • 「どの子」=猿橋園子(キングたちがいじめていた少女)
  • 「ドの子」=別の少女(ちょんまげの回想に登場)

この「ドの子」は、ちょんまげがキングたちのグループに入れてもらうため、
いじめに加担していたシーンに登場する。

その場面で壊されたのは――ピアノの工作
「ドの子」という呼び方、そして“ピアノ”という要素から、
これは明らかに「ドレミファソラシ」の“ド”=音楽モチーフと重なる。


■ 「ドの子」は“どの子”の前のターゲット?

この流れから推測できるのは、
“ドの子”は転校してきた「どの子(猿橋)」がいじめられる前に、
同じグループの最初のターゲットだったということだ。

つまり、小学校5年生のときのいじめの対象=ドの子。
そしてその後、いじめの矛先が猿橋園子へと移った。

ちょんまげは、グループの中で立場を守るためにいじめに加担し、
そのとき関わった少女――“ドの子”を心の奥に封印したのではないか。


■ 記憶から消された「ドの子」

キングたちの中に“ドの子”の記憶がまったく残っていないのは、
いくつかの可能性がある。

  1. いじめの期間が短く、すぐに転校した。
  2. いじめが原因で、命を絶ってしまった。

どちらにしても、彼女の存在が“消された”ことに変わりはない。
そして、その「忘れられた存在」こそが、
現在起こっている事件の根底にある“罪”に繋がっているのかもしれない。


■ “ドの子”の正体候補①:佐竹亜由美説

ピアノ柄のトートバッグを持っていた少女が登場していた。
そして第5話の回想では、いじめられる「どの子(猿橋)」の後方から
もう一人の少女が現れる演出がある。

これは、“いじめの標的が変わる瞬間”を意味しているのではないか。
つまり、前のターゲット=佐竹亜由美=ドの子

彼女が消え、次に猿橋園子が狙われた。
それが“いじめの連鎖”の始まりだったとしたら――
「ドの子」は、最初に忘れられた被害者だったのかもしれない。


■ “ドの子”の正体候補②:土屋ゆき(ゆっきー)説

もう一つの有力候補が、土屋ゆき=ドの子説。
ゆっきーの旧姓は「塙(はなわ)」。
これを分解すると「土(ど)の高(こう)」とも読め、
“ドの子”というあだ名に近い隠語が潜んでいる。

さらに同窓会でのセリフ――

「誰かに恨まれてんじゃない?」

この言葉は、他人事ではなく“自分自身の気持ち”をほのめかしているようにも聞こえる。
しかも、台本上で彼女だけが“名前表記(ゆき)”になっている点も不自然。
制作者が苗字に何か隠したいことがあるようにも思える。


■ 結論 ― “ドの子”はすべての始まり

ピアノの工作を壊された少女。
いじめの最初の標的となり、やがて記憶から消えた“ドの子”。
その名は、罪の“最初の音(ド)”を意味していた。

彼女を忘れた瞬間から、
キングたち6人の歯車は狂い始めたのかもしれない。

「ドの子」は、物語の最初の犠牲者であり、
すべての“悪いこと”の始まりだった。


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