泥沼の隠蔽工作、夫の裏切り、そして息子のSOS。 息つく暇もない展開で視聴者を追い詰める『夫に間違いありません』第3話は、これまで積み重ねてきた「嘘」が限界を迎え、最悪の形で決壊する衝撃回となりました。
今回のテーマは「嘘」。 人は誰しも嘘をつきますが、その嘘には「人を守るための嘘」と「自分を守るための嘘」の二種類があることを突きつけられました。 ラスト1分でジャンルが“詐欺隠蔽”から“殺人サスペンス”へと変貌を遂げた第3話を、徹底考察していきます。
「信じる」と決めた妻を嘲笑う夫と愛人
第2話で視聴者を戦慄させた夫・一樹(安田顕)と愛人キャバクラ嬢・ルミの共犯関係。 一樹は「ルミに追加で500万要求されている」と聖子(松下奈緒)に泣きつきます。聖子は夫を信じ、再び金を工面する道を選びますが、これが地獄の入り口でした。
ルミに直接「もうやめてほしい」と懇願しに行く一樹ですが、結局はルミに丸め込まれます。このあたりの「人の懐に入り込み、利用する」ルミの手練手管はさすがキャバクラ嬢と言うべきでしょうか。結局、一樹はルミの操り人形のまま、聖子からさらなる金を搾り取ろうとしていたのです。
蝕まれる息子と弟・貴島光聖
聖子の嘘のしわ寄せは、罪のない息子へ向かいます。 金を渡す現場を目撃した同級生(推薦のライバル)による動画での脅し。「新しい愛人と会ってるんじゃないか」と煽られた息子は、精神的に追い詰められ、パソコンを破壊する騒ぎを起こしてしまいます。
ここで息子が救いを求めたのが、叔父である貴島光聖(中村海人)でした。 光聖が聖子を問い詰めると、聖子は「被害者家族の会の人と会っていた」とまたしても「自分を守るための嘘」をつきます。
また今回は、週刊誌の記者が九条ゆり(光聖の婚約者の母)の周辺を嗅ぎ回る中で、「聖子と光聖が幼い頃に離れ離れになっていた」という複雑な家庭環境も明らかになりました。この過去が、二人の「家族」に対する執着や脆さにどう影響しているのか、今後の重要な伏線になりそうです。
対比される「嘘」:葛原紗春の優しさと聖子の罪
今回、聖子と対照的に描かれたのが、夫を探す葛原紗春の存在です。 家出した聖子の娘・あきを保護してくれた紗春。彼女との会話の中で、彼女の子供が夫の連れ子であること、そして子供を傷つけないために「パパは出張中」と「子供を守るための嘘」をついていることが明かされます。
- 紗春の嘘: 娘の心を壊さないための、愛ある嘘。
- 聖子の嘘: 世間体と生活、そして自分の罪を隠すための嘘。
- 一樹の嘘: 自分の保身と欲のための、最低な嘘。
同じ「嘘」でも、その性質はあまりに残酷に異なります。紗春の清廉潔白な愛に触れたことで、聖子の罪悪感はピークに達したはずです。
今後の考察:殺人犯となった夫…「家族再生」の夢は潰え、聖子に迫られる究極の選択
精神的に限界を迎えた聖子は、ついに決断しました。息子へ「お父さんは生きている」という手紙を残し、警察へ自首するために家を出たのです。 しかし、その決意を嘲笑うかのように鳴った一樹からの電話。
「ルミを殺した」
ルミに裏切られた(他の男性と店を出すために金づるにされていた)ことを知った逆上による犯行。 この瞬間、聖子が守ろうとしたものは音を立てて崩れ去りました。ここから聖子が直面する地獄と、今後の展開を考察します。
考察①:「詐欺の隠蔽」から「殺人の隠蔽」へ…バレれば終わる“連鎖”の恐怖
これまで聖子が必死に隠してきたのは「保険金詐欺でした。しかし、一樹が殺人を犯したことで、状況は一変します。
もし一樹がルミ殺害の容疑で警察に捕まれば、当然身元が調べられます。 「死んだはずの人間が生きていて、殺人を犯した」 これが判明した瞬間、過去の保険金詐欺も、戸籍売買も、全ての嘘が芋づる式に暴かれます。 つまり、「過去の嘘」を守るためには、新たな「殺人」という巨大な罪までも隠蔽しなければならなくなったのです。嘘が嘘を呼ぶどころか、引き返せない犯罪の深淵へ引きずり込まれることになります。
考察②:事実上不可能になった「家族の再生」と聖子の決断
聖子がこれまで泥水をすするような思いで嘘をつき続けてきたのは、心のどこかに「いつかまた家族全員で」という淡い希望、あるいは「せめて家族の平穏だけは」という願いがあったからでしょう。
しかし、一樹が人を殺めたことで、その望みは絶たれました。 たとえ今回の殺人を隠し通せたとしても、夫は「殺人犯」です。そんな夫を家に迎え入れ、息子や娘と食卓を囲むことなど、道徳的にも現実的にも不可能です。 夫が生きて戻ってきた時点で歪んでいた家族の形は、夫が殺人犯になったことで、修復不可能なほどに粉砕されました。
考察③:聖子の究極の選択…見捨てるか、共犯者になるか
ここで聖子に突きつけられるのは、あまりに残酷な「究極の選択」です。
- 一樹を見捨てる: 「もうこれ以上は無理」と電話を切り、警察に通報する(あるいは自首を続行する)。これは夫を見捨てることになりますが、これ以上の罪(死体遺棄や隠避)を重ねずに済みます。しかし、それは同時に夫の逮捕=全ての詐欺の露見など、社会的死を意味します。
- 殺人隠蔽の共犯者になる: 夫を救う(=詐欺の発覚を防ぐ)ために、現場へ向かい、ルミの死体遺棄に加担する。これは修羅の道ですが、今の生活を「物理的に」維持する唯一の細い糸でもあります。
夫への情か、家族への責任か、それとも恐怖か。次回、聖子が選ぶ道は、私たちの想像を超える地獄かもしれません。
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