人間関係の真実:親密に保てる人数は150人、深い絆は5人だけ

人間関係の真実

人付き合いにも容量がある

私はどちらかというと「少人数派」だ。大勢の飲み会に参加するのは気が重いし、SNSで「友達申請」や「フォロー」をされても、心のどこかで「本当に友達と言えるのか?」と思ってしまう。そんな私にとって、「人間関係には上限がある」という話は妙に納得できる話だった。

イギリスの人類学者ロビン・ダンバーが提唱した「ダンバー数」という理論によると、僕たちが親密な関係を保てる相手は、平均して150人程度に限られるらしい。脳が処理できる情報量や時間の制約が原因で、これ以上の人数と親密な関係を築くのは難しいという。さらに、その中でも本当に深い絆を築けるのは5人前後だというのだから、世の中の「リア充」たちも意外と少数派なのかもしれない。


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深い関係とは何だろうか

5人。たった5人だ。会社の部署で言えば、全員が顔を知っている程度の小規模なチームぐらいの人数だ。じゃあ、この5人には誰が入るのだろうか? 何をもって「深い関係」と呼べるのだろう?

私が考えるに、この5人は「何でも話せる人」という定義では収まらない気がする。むしろ、「何も話さなくてもいい人」と言った方がしっくりくる。例えば、長年の親友や家族と一緒にいるとき、時には会話が途切れても気まずくならない瞬間がある。あれこそが「深い関係」の証拠ではないだろうか。

心理学によれば、親密な関係を築くためには「信頼」が必要不可欠だという。信頼を築くには時間と共有体験が必要で、特に逆境を乗り越えた経験は関係を深めるのに大きな効果をもたらすらしい。つまり、深い関係とは、長い年月と共に育まれるものなのだ。

150人にこだわる必要はない

しかし、ここで気をつけたいのは、150人という数に囚われすぎる必要はないということだ。私たちはつい、「もっと友達を作らなければ」と思いがちだが、それは無理をする必要はない。SNSの「友達」リストが1000人を超えていても、実際に悩みを相談できる相手がいなければ、それはただの数字に過ぎない。

むしろ、150人どころか50人でもいいし、30人でもいいのではないかと思う。大事なのは、「数」ではなく「質」だ。自分がどれだけその人たちに本音をさらけ出せるか、どれだけその人たちと時間を共有できるか、それが重要だ。

「5人」が教えてくれること

ここで改めて、最も深い関係を築ける「5人」の存在について考えたい。この5人は、私たちの人生の中で特別な役割を果たしているように思う。

たとえば、人生に迷ったとき、その5人の中にいる親友や家族が助言をくれるかもしれない。逆に、何も言わずただ隣で笑っていてくれるかもしれない。そのどちらもが、僕たちを支える「深い関係」の形なのだ。

実際、心理学者のエドワード・ホロウェルが述べたように、人間は「心の安全基地」を必要とする生き物だという。この「基地」となり得るのが、この5人の存在だ。彼らがいることで、僕たちは安心して外の世界に挑戦できるし、失敗しても帰る場所があると感じられる。

どうやって「5人」を見つけるか

それでは、この「5人」はどうやって見つければいいのだろうか? 答えは意外とシンプルだ。「自分が大切にしたい人を大切にする」ことだ。

「いや、それが難しいんだよ」と思う人もいるだろう。実際、仕事や家事、その他の責任で忙しいと、人間関係に割く時間がどうしても減ってしまう。でも、ちょっとした工夫で変わることもある。

例えば、週末に30分だけでも電話をしてみる。短いメッセージを送ってみる。それだけで、「関係のリズム」を保つことができる。

結局のところ、少数精鋭がいい

私は最近、「友達をたくさん作るよりも、少数精鋭でいいんだ」と思うようになった。そう気づいてから、気持ちが少し軽くなった気がする。無理に全員と仲良くする必要はないし、自分にとって特別な「5人」を見つけて、その関係を大切にすればいい。

人生の中で何度も読み返したくなる本や、何度も聴きたくなる曲があるように、何度も会いたい人がいれば、それで十分なのではないだろうか。

だから、もし「自分には友達が少ない」と感じている人がいたら、こう伝えたい。「それでいいんだよ」と。少数精鋭でいこう。たった5人の深い関係があれば、人生は驚くほど豊かになる。

そして最後に、あなたにとってのその「5人」が誰なのか、ぜひ考えてみてほしい。その考える時間こそが、あなたの人生をもっと親密に、もっと充実したものにしてくれるはずだ。


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