忙しさに埋もれる人生から抜け出す方法:自分の価値観を取り戻す

自分の価値観を取り戻す

「忙しいですねぇ。」
最近、会話の中でこの一言を発することが多い気がする。なんなら挨拶代わりになっているかもしれない。忙しいという言葉には、どこか充実感を匂わせる響きがある。でも、その忙しさの中身を改めて考えてみると、実は大したことをしていない気がする瞬間がある。いや、大したことをしているつもりで、ただ振り回されているだけかもしれない。

これは私自身の話だが、ある時期、仕事に追われすぎて自分が何をしているのか分からなくなったことがある。朝起きて、会社に行き、打ち合わせをして、資料を作成して、また別の会議へ。帰ってきてからは力尽きて、すぐ眠りにつく。この繰り返し。気づけば、自分で考える時間なんてほとんどなかった。

忙しいことで「生きている感覚」を得られる反面、自分の意思で生きている感覚は薄れていく。この矛盾に気づいたのは、体調を崩して強制的に休まなければいけなくなったときだった。


「いつも忙しい」がなくなる心の習慣

世の中には、
「本当は忙しいはずなのに、なぜか余裕がある人」もいれば、
「それほど忙しくないのに、いつもバタバタ焦っている人」もいます。

これはなぜなのでしょうか?

それは、その人が、
「物理的にどれだけ忙しいか」ということと、「主観的にどれだけ忙しいと感じるか」は、
必ずしも一致していないからなのです。


他人の価値観に流される危険性

忙しい日々を過ごしていると、自分の判断基準を失いやすくなる。例えば、他人から「こうするべきだ」と言われたことに疑問を持つ余裕がなくなる。会議で「これ、正直あんまりいまいちだな」と思う案があったとしても、「とりあえず進めよう」と流されてしまうことが増える。

人間は、他者からの評価に敏感だ。他人が良いと言えば良い気がするし、悪いと言われればやめてしまう。SNSの「いいね」なんてその典型だ。多くの「いいね」をもらうと気分が良くなるし、少ないと「自分の発信、つまらないのかな」と落ち込む。そんな風に他人の価値観に振り回されてしまうのは、忙しさの中で自分自身を見失っているからかもしれない。

内省する時間を作る重要性

私が救われたのは、ふとした休息の瞬間だった。体調を崩して休養を余儀なくされたとき、手帳を開いて自分が何をしているのか振り返る時間を持てた。「この仕事、やりたくて始めたんだっけ?」そんな問いかけをしたのは久しぶりだった。

アメリカの心理学者、マーティン・セリグマンは「内省的な時間を持つことで、人は幸福感を高めることができる」と述べている。実際、内省することで自分の目標や価値観を再確認でき、それが迷いを減らす効果につながるそうだ。

私の場合、手帳に「好きな事」「やりたい事」「なんとなく続けている事」を色分けして書き出してみた。驚いたのは、なんとなく続けている事が意外と多かったことだ。その多さに、自分でもびっくりした。

自分の価値観を取り戻すための小さな一歩

では、忙しさに振り回されないために何をすればいいのか。答えは意外とシンプルだ。「何もしない時間」を意識的に作ることだ。

私が試したのは、スマホを机に置いて散歩に出かけること。目的地を決めず、ただ歩く。最初は落ち着かなかった。「仕事のメールが来ているかも」と気になったり、「この時間であれを仕上げればよかったかも」と後悔したり。でも、それを続けていくうちに、歩くリズムが心を整えてくれる感覚が出てきた。

内省の時間が増えると、不思議と判断がしやすくなる。「これは自分にとって本当に必要か?」と冷静に考えられるようになるのだ。

忙しさに埋もれないための最後のメッセージ

忙しい日々を送ることは、決して悪いことではない。ただ、それが自分の人生を支配してしまうのは問題だ。私たちは自分の人生の主役であるべきで、脇役になってはいけない。

忙しすぎるときこそ、自分の価値観を見直す時間を作ることを忘れないでほしい。それは散歩でも、手帳への書き込みでも、静かな読書でもいい。重要なのは、自分と向き合う時間を持つことだ。

最後に私の好きな言葉を贈りたい。「自分の人生を取り戻すのに、遅すぎることはない」。今日がその始まりの日になるといいなと思う。


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