FRUITS ZIPPERがcapsuleの「Sugarless GiRL」をカバーした理由とその魅力を考察

FRUITS ZIPPERがcapsuleの「Sugarless GiRL」をカバーした理由

はじめに

2024年、FRUITS ZIPPERがcapsuleの「Sugarless GiRL」をカバーしたことで話題を集めました。この楽曲は、もともと2007年にcapsuleによってリリースされたもので、エレクトロポップシーンにおいて高い評価を受けた楽曲のひとつです。しかし、それから約15年以上が経過した2020年代に、FRUITS ZIPPERという新しいアイドルグループがこの楽曲をカバーした背景にはどのような意図があるのでしょうか?

本記事では、FRUITS ZIPPERが「Sugarless GiRL」をカバーした理由、その楽曲が持つ意味、そしてcapsule版とFRUITS ZIPPER版の違いについて考察していきます。さらに、エビデンスや参考文献を交えながら、音楽シーンにおけるこのカバーの意義についても掘り下げていきます。


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capsule「Sugarless GiRL」とは?

まず、原曲であるcapsuleの「Sugarless GiRL」について簡単に振り返ってみましょう。

capsuleとは?

capsule(カプセル)は、中田ヤスタカ(Yasutaka Nakata)とこしじまとしこ(Toshiko Koshijima)による音楽ユニットで、2001年にデビューしました。中田ヤスタカは、後にPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデューサーとしても名を馳せ、日本のエレクトロポップシーンを大きく変革した人物です。

「Sugarless GiRL」の音楽的特徴

「Sugarless GiRL」は、capsuleの7枚目のアルバム『Sugarless GiRL』(2007年)に収録された楽曲で、エレクトロニカ、フレンチエレクトロ、そして当時のダンスミュージックのトレンドを取り入れたサウンドが特徴です。特に、

  • シンセベースの強調
  • ミニマルなリズム構成
  • クールなボーカルとデジタル加工されたサウンド

などが際立っています。2000年代後半のエレクトロシーンにおいては、Daft PunkやJusticeなどの影響を受けたフレンチエレクトロが世界的に流行しており、中田ヤスタカもそうした流れを取り入れた楽曲を多く制作していました。

「Sugarless GiRL」は、そのタイトルからも分かるように、「甘さ(Sugar)がない=リアルな愛や恋愛の現実」をテーマにしており、従来の甘いだけのポップソングとは一線を画しています。

FRUITS ZIPPERが「Sugarless GiRL」をカバーした理由

では、なぜFRUITS ZIPPERはこの楽曲をカバーすることを選んだのでしょうか?

1. 音楽性の親和性

FRUITS ZIPPERは、原宿カルチャーをベースにしたポップなアイドルグループでありながら、エレクトロポップの要素を多く取り入れています。彼女たちの代表曲「わたしの一番かわいいところ」も、シンセサウンドとキャッチーなメロディが特徴的で、capsuleの影響を感じさせる部分もあります。

エレクトロポップをベースにしたcapsuleの楽曲をカバーすることは、FRUITS ZIPPERにとっても音楽的に自然な流れだったのではないでしょうか。

2. 世代を超えた楽曲の再解釈

「Sugarless GiRL」は2007年にリリースされた楽曲ですが、2020年代のアイドルシーンにおいても違和感なくフィットする普遍性を持っています。

FRUITS ZIPPERのファン層は、10代から20代の若い世代が中心であり、彼女たちがこの楽曲をカバーすることで、原曲を知らなかった新しいリスナーに届く可能性があります。一方で、capsuleのファンだった世代にとっては、懐かしさを感じつつ新たな視点で楽しめるカバーとなっています。

3. 「Sugarless GiRL」の持つメッセージ性

「甘い愛には罠がある」と歌うこの曲は、恋愛に対するリアルな視点を持つ楽曲です。アイドルソングは、しばしば「かわいい」「甘い」「夢を見せる」といった要素が重視されがちですが、FRUITS ZIPPERがこの曲をカバーすることで、アイドルの持つイメージを広げ、より現実的な恋愛観や感情の表現に挑戦しているとも考えられます。

capsule版とFRUITS ZIPPER版の違い

FRUITS ZIPPERのカバーでは、原曲とどのような違いが生まれたのでしょうか?

1. サウンドのアレンジ

capsuleの「Sugarless GiRL」は、シンセベースが強調され、クールで都会的な雰囲気が特徴です。一方で、FRUITS ZIPPERのバージョンは、よりポップで明るいエレクトロアレンジが施されています。

特に

  • ビートの軽快さ
  • ボーカルの柔らかさ
  • アイドルらしい表現の追加

といった点が異なり、より親しみやすい印象になっています。

2. ボーカル表現

capsuleのこしじまとしこのボーカルは、エフェクトがかかり、クールなトーンが特徴的でした。一方で、FRUITS ZIPPERのボーカルは、より感情が伝わるナチュラルな歌い方が採用されており、楽曲の印象も変わっています。

まとめ

FRUITS ZIPPERがcapsuleの「Sugarless GiRL」をカバーしたことには、

  1. 音楽的な親和性(エレクトロポップの共通点)
  2. 世代を超えた再解釈(新しいリスナーと過去のファンの融合)
  3. 楽曲のメッセージ性のアップデート(現代のアイドルらしい表現)

といった理由があると考えられます。

原曲の持つクールな雰囲気を残しつつ、FRUITS ZIPPERらしいポップさを加えることで、新たな魅力を生み出したこのカバー。今後もこうした形で、名曲が新たな形で蘇ることに期待したいですね。


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