アメリカの有名な投資家ピーター・ティールさんが、「今の若者たちはとても不公平な世界で生きている」と話しています。
ティールさんは、Facebookに早くから投資したことでも知られている人です。そんな彼が、今の社会についてかなり厳しい意見を述べました。
学生ローンという“見えない鎖”
ティールさんはこう言います。
「1970年ごろに大学を卒業した人たちは、学生ローン(学費の借金)をほとんど背負っていなかった。でも今の若者は、多くの人が大学に行くのに何も学べず、しかも大きな借金を抱えてしまっている。」
昔の世代は、大学を出てもすぐに社会に出られたけれど、今の若者は大学を卒業した時点で何百万円もの借金を抱えている人もいます。
ティールさんは、「これは世代の間の不公平の象徴だ」と言っています。
文化の対立の裏にある“お金”の問題
ニュースなどでよく見る「世代の対立」や「価値観の違い」。
ティールさんは、それらの多くが実は「経済の問題」だと考えています。
「文化の争いの80%は、お金の問題に関係している。そして、そのお金の問題の80%は“土地”や“家”の問題なんだ。」
つまり、社会の争いや不満の多くは、「家が高すぎて買えない」「生活が苦しい」といった現実から生まれているということです。
若者が家を持てない社会
ティールさんは、今の若者が家を買えない状況にも注目しています。
「いまは、若者が家を買うのがとても難しい。建物を増やすことに厳しいルールがあると、家の値段はどんどん上がっていく。家をすでに持っている年配の人たちは得をするけど、若者はどんどん苦しくなる。」
つまり、「家を持つこと」が一部の人だけの特権になっているのです。
ティールさんは、「もし若者が何の資産も持てなくなったら、社会の不満が爆発する」と警告しています。
「若者を“資産を持たない労働者(プロレタリア)”にしてしまえば、やがて彼らが共産主義を求めるようになっても不思議ではない。」
「努力しても報われない社会」でいいのか
ティールさんの話は、アメリカのことに聞こえるかもしれませんが、日本でも似たような問題があります。
学費の高騰、家賃の上昇、正社員になりにくい働き方――どれも若い世代ほど苦労しています。
「努力しても報われない」と感じる社会をこのままにしていいのか。
ティールさんの言葉は、そんな疑問を私たちに投げかけています。
まとめ
- 昔の世代は借金なしで大学を卒業できたが、今の若者は大きな学生ローンを抱える。
- 文化の対立の多くは、お金や住宅などの経済問題が原因。
- 若者が家を持てない社会は、不満と分断を生む。
- 若者が希望を持てる社会を作ることが、次の世代への責任。
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