1. 「良いこと」と「悪いこと」は誰が決めるのか
第6話で改めてはっきりしたのは、
“良いこと”も“悪いこと”も見る立場によって簡単にひっくり返るという、このドラマの大テーマ。
良い事をしているつもりでも、悪い事に繋がっていたり、
悪い事をしている風に見えても、誰かにとっては良い事だったり…。
同じ出来事でも、
・当事者から見たとき
・第三者から見たとき
で「意味」がまったく変わる──。
その構図が、今回は委員長(小林)のエピソードではっきりと描かれた回だった。
2. 委員長回:キングの「悪いこと」が、委員長にとっての「良いこと」に
回想シーンで描かれた、委員長を決める場面。
- クラスの中心人物であるキングが、多くのクラスメイトから推薦される
- しかしキング本人にとって委員長は「面倒な役」=都合の悪いこと
- そこでキングは「小林(委員長)がいいと思う」と言って、役を押しつける形に
キングにとっては“避けたい面倒ごと”=悪いこと。
でも、小林にとっては委員長になれる=認めてもらえる「良いこと」。
同じ出来事なのに、
片方にとっては“悪いこと”、もう片方にとっては“良いこと”。
この「表裏一体の価値観」が、ドラマのタイトル
『良いこと悪いこと』をそのまま体現している。
3. 委員長がどの子を恨んだ理由
今回、委員長がどの子(園子)を恨む理由も明かされた。
- 委員長を決める一件から、委員長はキングに好意を持つようになる
- しかし、悪ふざけで描かれた「キング×どの子」の相合い傘の落書きを見てしまう
- そこから、どの子を“恋のライバル”として敵視し始める
さらに時代は現在に移り──
どの子が週刊誌記者として書いた記事がきっかけで、
委員長の弟がドラッグ問題や誹謗中傷で追い込まれ、自死してしまう。
そこから積もった二重の恨み
- 恋を奪った“相合い傘のどの子”
- 弟を自死に追い込んだ“週刊誌記者としてのどの子”
その結果、委員長はどの子を殺そうとする。
園子を編集長と一緒に追い込む委員長。
しかし──
その行為すら、キングたちに「守ってくれてありがとう」と肯定され、
感謝されてしまう。
自分の“悪意”すら「良いこと」に変換されてしまい、
結局、園子を刺しきれない委員長。
ここにもまた、
「誰かの正義は、誰かにとっての悪意」
というメッセージがくっきり現れている。
4. 週刊誌の「正義」と、家族にとっての「悪」
週刊誌としてドラッグ問題を取り上げることは、
社会的には“正義”であり、“良いこと”とされがちだ。
しかし、当事者の家族にとってそれは、
大切な人を失うきっかけになる「悪いこと」にもなりうる。
- 気づかないうちに復讐していた
- 誰かの正義は誰かにとっての悪意
- 憎しみと復讐の連鎖、因果応報
- 「面白さ」が「正しさ」より優先されるメディアの構造
- そしてそれが“偽りの正義”に変わっていく怖さ
第6話は、これらのテーマをかなり分かりやすく“委員長の物語”として見せてきた印象。
5. 番組をまたいだ「アゲハ蝶」演出の凄さ
今回さらに話題になったのが、
ドラマ終盤から次番組へのシームレスな演出。
- スナック「イマクニ」でカラオケをする流れ
- カラオケ画面には、このドラマのテーマ曲「アゲハ蝶」
- そのままCMを挟んだのかと思いきや、次番組『With Music』で本物の「アゲハ蝶」パフォーマンスが始まる
「いつドラマ終わったの?」ってなるレベルで違和感がなく、
番組を超えた一体演出としてもめちゃくちゃ攻めていた回だった。
6. 新展開考察:殺され方は“F”で決まっている?
ここからは新たな考察。
第6話で校長が“凍った状態”で殺害されたことで、
「Fにまつわる殺され方」説が一気に有力に。
● F=アルファベット6番目
ドラマ内で“6”という数字はすでに意味深に登場しているが、
アルファベット順で6番目の文字が F。
そこで、これまでの被害者の状況をFワードで並べてみると──
- 武田(貧ちゃん) → fly:高いところから落とされる
- カンタロー → fire:店を火事にされ、自身も燃やされる
- ニコちゃん → flash:車道に押し出され、夜のライト(フラッシュ)の中で轢かれる
- 校長先生 → freeze:凍った状態で発見
番組序盤では「子どものころの夢に沿った殺され方」と思わせておいて、
実はどれもFから始まる単語に紐づいている可能性が出てきた。
● 夢とFの両方に当てはめると…
- 武田(貧ちゃん)
→ 夢:空を飛ぶ
→ 実際:高所から落ちる → fly - カンタロー
→ 夢:消防士
→ 実際:火事で炎に包まれる → fire - ニコちゃん
→ 夢:アイドル(スポットライトを浴びる)
→ 実際:夜の道路に押し出され、ライトの中で轢かれる → flash - 校長先生
→ 夢:不明
→ 実際:凍らされた状態で殺される → freeze
夢を利用した殺し方に見せつつ、
Fワードで統一された殺害パターンになっていると考えることもできる。
7. 次に狙われるのは誰?Fパターンからの予想
この「F殺害パターン」と、
これまでの描写を合わせて考えたとき、
次に狙われる可能性が高いのはこの2人だと考えられる。
● ターボー
- 予告:「死ぬまで終わらない」
- 過去に狙われたことがある
- 子どもの頃の夢:宇宙飛行士
ここから連想されるのは、高所・上空・吊るされるイメージ。
そこにFを絡めるなら、
fall(落ちる)、float(浮く)、
あるいは「吊るされる」=首吊りの可能性も…?
という不穏な予感が生まれる。
● ちょんまげ
- 夢:侍
- 第6話ラスト、ナイフを手に博士に会いに行くシーン
侍の究極の“終わり方”といえば切腹。
ここにFを絡めるとすると──
fatal、final、など“終わり”を感じさせるFワードも思い浮かぶ。
いずれにせよ、
ちょんまげとターボーは「Fパターン」に絡みそうな立ち位置になってきている。
8. 森先生=博士=「すべてがFになる」オマージュ?説
さらに、このドラマはポケモンや遊戯王など、
“わかる人にはわかる”小ネタを大量に仕込んでくる作品。
そこで出てきたのが、
森先生=博士=「森 博士(モリ・ヒロシ)」説
そして、もう一人の「モリヒロシ」──
森 博嗣(もり ひろし)。
彼の代表作のひとつが『すべてがFになる』。
ーーーー以下『すべてがFになる』のネタバレを含みますーーーー
この作品では
犯人が双子の死を利用して「自分の死」を偽装する
というトリックが出てくる。
もし『良いこと悪いこと』が
このトリックをオマージュしているなら──
- 「双子」「入れ替わり」「死の偽装」要素がある
- ターボーやキングにその仕掛けが隠れている
そんな可能性も、十分“あり得る”範囲に入ってきた。
博士についての考察はこちら
9. ここまでのまとめと、明日以降の予告
第6話のポイントをざっくりまとめると:
- 良いことと悪いことは、立場によって簡単に入れ替わる
- 委員長の恋心・弟の死・どの子への恨みで、“正義と悪意”のラインが崩れていく
- 週刊誌の「社会的正義」と、遺族にとっての「悪いこと」が真っ向からぶつかる
- 殺され方に F(fly / fire / flash / freeze)パターン が見え始めた
- 次のターゲット候補はターボー&ちょんまげ
- 森先生=博士=「すべてがFになる」オマージュの可能性も浮上
ターボー考察|入れ替わり説・兄弟説・利き手の矛盾
- 犯人キング説
というわけで、
次回の更新ではさらに考察を展開していく予定です。

