『夫に間違いありません』第2話は、隠しきれない真実と、金に群がる人々の欲望が渦巻く、息つく暇もない展開の連続でした。
夫・一樹(安田顕)の生存を知る唯一の他人、キャバクラ嬢・ルミの登場によって、妻・聖子(松下奈緒)はさらなる窮地へと追い込まれます。今回は、第2話で描かれた「女たちの執念」と、新たに浮上した政治家スキャンダルの影について考察していきます。
愛人の罠と夫の裏切り…「孤独」が生んだ共犯関係
第2話で最も戦慄したのはキャバクラ嬢・ルミによる口止め料の請求、そしてその裏にあった残酷な真実でした。 一樹は失踪中、ルミの家に転がり込んでおり、帰還後も聖子から引き出した金を持って彼女の店を訪れていました。ルミは一樹が生きていることを知るだけでなく、戸籍を買ってまで死を偽装したこと、そして5000万円という巨額の保険金の存在まで嗅ぎつけていたのです。
「500万円払えば一樹とは縁を切る」 そう脅すルミに対し、聖子は夫を救うため苦渋の決断で支払いに応じます。一樹は「自首する」と言い出しますが、聖子がそれを必死に止め金を工面することになりました。
しかし、視聴者を絶望させたのは、これが「ルミと一樹の協力」だったという事実です。一樹の孤独感に漬け込んだルミの作戦とはいえ、夫は妻を騙して金を巻き上げることに協力していたのです。安田顕さんが演じる一樹の、人間として弱く決定的に倫理観が欠如しているキャラクターが、聖子の孤立を際立たせています。
「女の執念」の対比が生むサスペンス
今回の裏テーマは、間違いなく「女の執念」。
登場する3人の女性が、それぞれの「欲」と「執念」で動いており、その対比が物語の緊張感を高めています。
まず、キャバクラ嬢のルミ。彼女の動機はシンプルに「お金」です。一樹への情があるように見せかけて実際は彼の孤独を利用し、聖子から金を引き出すための道具として使っています。
次に、主人公の聖子。彼女の執念は「隠蔽」と「日常の維持」に向けられています。夫への愛そして、崩れかけた生活と息子の未来を守るため、犯罪に手を染めてでも現状を維持しようとする鬼気迫る姿が印象的でした。
そして、夫を探し続ける葛原紗春。彼女は「一途な愛」で動いています。聖子の自宅まで訪れ、連絡先を交換することになった彼女の純粋な思いは嘘で塗り固められた聖子にとって、今後最も心が痛む「刃」となるでしょう。しかしどこか不気味さもあるので今後の動向にも注目です。
新たな火種:弟の婚約者と週刊誌記者
第2話では、聖子を脅かす新たな火種も蒔かれました。頼れる弟・貴島光聖(中村海人)が連れてきた婚約者が、なんと汚職疑惑の渦中にある政治家・九条ゆりの娘だったのです。
九条ゆりは現在、週刊誌の記者に執拗に追われています。これが何を意味するか。 政治家のスキャンダルを追う記者の目は、当然その親族である光聖や、姉である聖子にも向けられる可能性があります。記者の鋭い嗅覚が聖子の抱える「夫の隠蔽」という特大のスクープにたどり着くのは時間の問題かもしれません。
光聖自身も非常に優秀な銀行員ですが、姉の秘密と、婚約者の母の汚職という二つの時限爆弾に挟まれ、今後重要なキーマンとして苦悩することになるはずです。
今後の考察:崩壊の足音と「見られている」恐怖
聖子が必死に金策に走る一方で、状況は悪化の一途をたどっています。 推薦入学を狙う息子は、保険金を受け取ったことでライバルから嫌味やいじめを受け、さらには聖子がルミに金を渡す(工面する)現場をそのライバル同級生に動画で撮られてしまいました。この動画は、脅迫の材料として使われる可能性が非常に高いでしょう。
また、認知症のおばあちゃんの「目撃証言」も無視できません。「一樹さんどこ彷徨いてるのかね」という言葉は、今はまだボケとして処理されていますが、真実は必ずどこかから漏れ出します。 何より、元凶である一樹自身が不安定すぎます。子供に会いたいという孤独感に耐えきれず、自ら家(店)に近づいてしまう彼の行動はいつか必ず誰かに見咎められるでしょう。
汚いお金、人間の欲、そして隠しきれない孤独。 聖子が守ろうとした「平穏」は、夫の軽率な行動と周囲の悪意によって、音を立てて崩れ去ろうとしています。次週、動画を撮った同級生がどう動くのか、そして記者との接点がどう描かれるのか、破滅へのカウントダウンから目が離せません。
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