オンラインカジノの闇——有名人もハマる「無料版CM」のカラクリとは?

オンラインカジノの闇

近年、日本でも「オンラインカジノ」という言葉を耳にする機会が増えている。特に、スポーツ中継を見ていると、海外のオンラインカジノのCMが頻繁に流れることに気づく人も多いだろう。

さらに、サッカー日本代表として活躍した吉田麻也選手や岡崎慎司選手がオンラインカジノの広告に出演していたことも話題になった。また、お笑いコンビ令和ロマンの高比良くるまも過去にオンラインカジノをプレイしていたことをが知られており、芸能界でもオンラインカジノが身近な存在になっているように見える。

そして、朝倉未来が主催する人気格闘技イベント「ブレイキングダウン」でも『Bee Bet』というオンラインカジノサービスの広告が出されていたことが注目された。このように、オンラインカジノの広告はスポーツやエンタメ業界に広がり続けているが、日本の法律との関係はどうなっているのか。

本記事では、「オンラインカジノの無料版CM」「有名人による宣伝」「Bee Betのような広告の問題点」という3つの側面から、現状の問題点や法的なグレーゾーンについて掘り下げていく。


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1. オンラインカジノの「無料版CM」はなぜ許されるのか?

1-1. DAZNやラジオで頻繁に流れるオンラインカジノのCM

最近、スポーツ中継やYouTube、ラジオなどで「オンラインカジノ」の広告を見かけることが多くなった。特にDAZNのようなストリーミングサービスでは、サッカー中継の合間にオンラインカジノのCMが流れている。

広告の内容としては、スロットやポーカーなどのカジノゲームを紹介し、「無料でプレイ可能」「登録するとボーナスがもらえる」といった文言が並ぶ。これを見た視聴者の中には、「オンラインカジノって合法なの?」と疑問を持つ人もいるだろう。

1-2. 無料版だから合法?広告規制の抜け道

日本の法律では、海外のオンラインカジノ自体は合法ではない。警察庁も「海外のオンラインカジノで日本国内からプレイすることは賭博罪にあたる」と明言している。

しかし、広告で紹介されているのは「無料版」のオンラインカジノであり、ここが重要なポイントとなる。無料版で遊ぶだけなら金銭を賭けることがないため、賭博罪には該当しない。そのため、こうした広告が堂々と放映されているのだ。

問題は「無料版CM」が有料版へ誘導する役割を果たしていることだ。実際に、広告をクリックすると、無料で遊べるページに案内された後、最終的には「本物のお金を賭けてプレイしませんか?」と有料版への案内が表示されるケースが多い。

この流れについて、Jリーグは「無料版のCM自体は合法だが、有料版に誘導され、日本国内からプレイすると違法になる」と説明している。つまり、広告そのものは法律的に問題がないものの、実際には違法行為へと誘導する形になっているため、非常にグレーな領域といえる。

2. 有名人がオンラインカジノを宣伝することの影響

2-1. 吉田麻也、岡崎慎司、高比良くるま、朝倉未来とオンラインカジノ

2024年、サッカー日本代表として長年活躍してきた吉田麻也選手や岡崎慎司選手が、あるオンラインカジノの広告に出演したことが大きな話題となった。彼らはプロモーションビデオの中で、「新しいエンターテイメントとしてのオンラインカジノ」を紹介し、視聴者にプレイを促すようなメッセージを発信していた。

また、令和ロマンの高比良くるまも過去にオンラインカジノをプレイしていたことを指摘され活動を自粛しており、芸能人の間でもオンラインカジノの存在が広がっていることがうかがえる。

さらに、朝倉未来が主催する「ブレイキングダウン」では、オンラインカジノサービス『Bee Bet』の広告が掲出されていた。これは、格闘技イベントの視聴者層をターゲットにしたものであり、特にギャンブルに興味を持ちやすい層へ訴求する意図があったと考えられる。

3. 『Bee Bet』のような広告はなぜ許されるのか?

3-1. 『Bee Bet』の運営は合法だが、日本での利用は違法

『Bee Bet』は、キュラソー政府のライセンスを取得して運営されているオンラインカジノサービスである。そのため、運営自体は合法的に行われている。しかし、日本国内の法律では、オンラインカジノでの賭博行為は違法とされている。

3-2. 広告の抜け道としての無料版

『Bee Bet』の広告が「ブレイキングダウン」に掲載されること自体は違法ではない。それは、広告が「無料版」や「登録促進」を目的としているためである。しかし、実際には広告を通じて有料版への誘導が行われ、日本国内から賭博行為が行われた場合は違法となる可能性がある。

3-3. オンラインカジノが芸能界やスポーツ界で広がる理由

オンラインカジノが芸能界やスポーツ界で広がっている背景には、いくつかの要因が考えられる。まず、スポンサー契約としての高額な広告費が挙げられる。オンラインカジノ業界は莫大な資金力を持っており、企業としての収益性が高いため、有名人やスポーツ選手への広告契約を積極的に行っている。

また、デジタル化の進展により、スマートフォンやPCを通じて簡単にアクセスできることも影響している。これにより、若者層を中心にオンラインカジノが身近な存在となり、芸能人やスポーツ選手も自然と関わる機会が増えている。

さらに、ギャンブルや賭け事に関する規制が海外と日本で異なる点も関係している。特に海外ではスポーツベッティングやオンラインカジノが合法的に運営されているため、日本の有名人が海外の合法サービスを宣伝するケースが増えているのだ。

4. まとめ——オンラインカジノの広告にどう向き合うべきか

現在、日本ではオンラインカジノの無料版CMが合法的に放映されている。しかし、その多くが有料版への誘導を目的としており、実質的には違法行為へと繋がるリスクがある。また、有名スポーツ選手や芸人、格闘技イベントの広告としてオンラインカジノが登場することで、視聴者が誤解し、違法であることを認識せずにプレイしてしまう可能性も指摘されている。

こうした問題を解決するためには、法整備や広告規制の強化が必要であり、スポーツ界やメディアも責任を持って対応するべきだろう。オンラインカジノの広告が氾濫する現状に対し、私たち視聴者も慎重に向き合う必要がある。


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